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印刷の色の表現とは

「アミ点」ってご存知ですか?

印刷業界ではよく聞くワードですが、一般的に聞く機会はほとんどありません。

画像や色を点の集まりで表現する印刷技術のことを「アミ点」と呼びます。主に新聞や雑誌、パッケージなどのオフセット印刷で使用されます。この技術により、少ない色のインクを使って多くの色を再現することが可能になります。

アミ点の原理は、異なる大きさや密度の点を用いて、明るさや色の濃淡を表現することにあります。例えば、点を密に配置することで濃い色を、点を疎に配置することで薄い色を表現します。印刷機では基本は4色のインクを使用し、それぞれ異なる角度でアミ点を配列することで、色の重なり合いによって広範囲の色を再現します。

「フルカラー」というワードは聞かれることもあると思いますが、これは基本の4色がアミ点で表現されることで多数の色があるように見えるのです。

アミ点印刷のメリットには、色数が限られていても豊かな色彩表現が可能であること、またコストを抑えつつ高品質な印刷が可能であることが挙げられます。

しかし、アミ点の大きさや配置によっては、細かいディテールが失われることや、特定の距離から見たときにアミ点のパターンが目立ってしまう「モアレ」が発生するリスクもあります。

アミ点印刷を最適に活用するためには、印刷物の用途や視聴者がどの程度の距離で印刷物を見るかを考慮し、適切なアミ点のサイズや密度を選択することが重要です。また、高品質な印刷を実現するためには、印刷機の状態管理やインクの質にも注意を払う必要があります。

 

カラー印刷の4色掛け合わせの意外なリスク

カラー印刷にはCMYKという4色のインクが用いられます。これらはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、そしてキープレート(通常はブラック、K)です。これらの色を組み合わせることで、さまざまな色を再現します。しかし、この4色を掛け合わせる際にはいくつかのリスクがあります。

  • 色の不一致:異なる色のインクを重ね合わせて新しい色を作るため、微妙なインクの量の違いや印刷素材の違いによって、意図した色と異なる色が出ることがあります。例えば、写真の場合、実際の風景と印刷された結果の色味が異なることがあります。
  • ムラやかすれ:4色のインクを正確に重ね合わせる必要があるため、印刷の際に微妙なズレが生じると、色のムラやかすれが発生する可能性があります。特に細かいイラストや小さな文字では、この問題が顕著になることがあります。
  • インクの乾燥時間:色を重ねる際、特に濃い色や大きな面積を印刷する場合、インクの乾燥に時間がかかり、それが原因で他の色と混ざってしまうことがあります。この結果、意図しない色や染みが出来ることがあります。
  • コストと時間の増加:正確な色を再現するためには、プリントのたびに細かい調整が必要になります。これは、印刷のコストと時間を増加させる要因となります。

これらのリスクを軽減するためには、印刷前に詳細な校正作業を行い、印刷機の状態を常に良好に保つこと、さらには印刷物に最適なインクや紙を選択することが重要です。また、デジタルプルーフを使用して色の確認を行うことも有効です。

 

弊社ではJapan Color標準印刷認証制度を大分県では唯一取得

印刷品質の安定と生産性向上を目指して創設されたJapan Color認証制度を2021年7月に大分県で初めて認証を取得しました。
ISO国際標準に準拠した認証の取得による、安定した品質の印刷物を作成することが出来ます。

色の表現でご相談したいことや、印刷物のご相談がございましたらぜひお気軽にお問い合わせください。