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フォントが与えるデザインへの影響と注意点

雑誌、広告、商品パッケージやウェブサイトなどで普段何気なく見ている文字。

その文字の中には様々なフォントが存在します。

フォントの選択はデザインや情報伝達に大きな影響を与え、印刷物やWEBのデザイン・組版に携わる当社においても非常に重要な要素となります。

今回は、そんなフォントによって生じる様々な問題や影響について、いくつかご紹介したいと思います。

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  • フォントが読みやすさに与える影響

◇フォントの種類によって、読みやすさは大きく左右されます。特に文章を読む際、フォントの選択はとても重要で、読みづらいフォントは読者にとってストレスとなってしまいます。例えば、筆記体や装飾が多いフォントは美しいですが、長文に用いるには不向きです。

特定の媒体や商品に合った適切なフォント選びが重要です。

◇フォントのサイズにも注意が必要です。小さすぎるフォントは目を酷使させ、読者の疲労感が増す一方で、あまりにも大きいサイズはページ内の情報量が少なくなってしまいます。

フォントサイズは、対象読者の目線に立って見やすさと情報の量的なバランスを考慮して決めることが大切です。

◇文字や背景の色選びにも注意しましょう。鮮やかすぎる色や強いコントラストは目を刺激しすぎ、反対に、コントラストが不十分だとテキストが読みにくくなります。背景色にはやわらかく落ち着いた色を選び、テキスト色は背景とはっきり区別できるようにすることで、より読みやすくすることができます。

 読みづらいフォントの使用は、読者が読むことを放棄してしまい、広告やサイト、アプリから離れる主な原因の一つです。内容が優れていても、文字が読みにくければその価値を十分に伝えることはできません。特に高齢者や視覚障害を持つ人々にとって、読みやすいフォントであることはさらに重要なことです。視認性、判読性、可読性を意識した読みやすいフォントを用いることで、幅広い層のユーザーに対応し、より多くの顧客を得ることにもつながります。

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  • ブランドイメージへの影響

 フォントはブランドの個性を表現する重要な要素です。フォントによっては、力強さ、洗練、高級感、信頼性など、様々な印象を与えることができます。それによって、企業や商品の第一印象が決まります。

 不適切なフォントはブランドイメージを損ねる原因となる場合があります。例えば、真面目な法律事務所がカジュアルでポップなフォントを使用すると、信頼性や専門性が疑われる可能性があります。逆に子供向けの製品で堅苦しいフォントが使われていると、ターゲットとのミスマッチが発生します。顧客の意思決定にも影響を及ぼし、結果的に経済的な損失を生むことにもなりかねません。そのため、フォントはブランドイメージを構築する上で慎重に選ぶ必要があります。

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  • 文字化けの問題

 異なるプラットフォームやデバイスを使用する際、フォントの互換性がないと文字化けが生じることがあります。文字化けは、WEBサイトの読み込みのみならず、メールやダウンロードなどでも発生します。

 特定の言語や記号をサポートしていないフォントを使用した場合など、文字化けによって重要な情報が伝わらない場合があります。文字化けが起きてしまうと情報の読み取りを困難にし、サイトや企業の信頼性を損ねる原因となります。これは特に多言語対応を目指しているサイトやアプリにとっては大きな問題です。文字化けを避けるには、さまざまな言語や特殊文字に対応したフォント選択が必要となります。

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  • デザインの不統一

 フォントの選択は、デザインの統一感を大きく左右します。

プロジェクト全体で異なるフォントが使われていると、デザインが不統一に見える可能性があります。例えば、ウェブサイトの各ページで異なるフォントが使用されていた場合、一貫性を感じられずにサイトの信頼性が損なわれるかもしれません。ユーザーにネガティブな印象を植え付けることになり、結果としてブランドイメージに悪影響を及ぼします。デザインの一貫性はユーザーがブランドをイメージしやすくするためにも重要です。

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  • ライセンス問題

 フォントには著作権が発生し、適切なライセンスが必要です。

 インターネット上にあるフォントをダウンロードして使っている、という方も多いでしょう。フリーフォントとして配布されているものであれば、無料でフォントを使用することができます。ただし、「フリー」は「無料」の意味であり、「自由に使って良い」という意味ではないので注意しましょう。中には商用利用は禁止されているものや、加工を禁止しているものもあります。例えば飲食店のメニュー表にフォントを利用し、印刷をして使用することも商用利用にあたります。フォントを使用する際には、利用規約を必ず確認し、違反しないよう細心の注意を払いましょう。無許可でフォントを使用すると、著作権侵害に該当し、法的な責任を問われることがあります。

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今回はフォントによって発生する問題と、その影響についてご紹介しました。

フォントの持つ印象や特性、機能を生かして、ターゲットにより良いインパクトを持ってもらえるよう、ベストなフォント選びを実践してみましょう!