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環境問題への取り組み – 無処理版編
弊社の環境問題への取り組み、以前は「ベジタブルインキ」について紹介しました。
今回も印刷になくてはならない「版」について、紹介します。
ここでも環境への取り組みによって改善したことがあるんです。
それが、無処理版。また専門用語らしいものが出てきましたね。
無処理版?処理を無くす??そもそも処理って何のこと???
無処理版。書いて字の如く、「処理」を「無」くした「版」のことです。
処理?無くした?版?早速何のことやら、ハテナが多いと思います。
まずは「版」、そして「処理」のことからお話しましょう。
「版」って?
印刷したい内容を焼き付けたプレートのことで、アルミ製の板です。
業界・現場では刷版(すりはん・さっぱん)といわれます。
印刷の元となる内容、という意味での「版」という言葉自体は一般にもよく知られています。
「処理」って?
「露光」と「現像処理」のことです。
「露光」とは、印刷内容を版に焼き付けることで、レーザーで焼き付けます。
「現像処理」とは、刷版から露光した膜を剥がして、版を印刷できる状態にすることです。
露光は環境問題にはあまり関連しませんが、現像処理の工程で薬品(現像液や水)を使用します。
この薬品は産業廃棄物(廃液)となる為、これまで専門業者さんに処分を依頼していました。
この廃液が環境問題になっていた、ということです。
無処理版は画期的な版!
つまり、「無処理版」というのは、「現像処理」を「無」くした「版」で、
薬品を使わず、廃液を出さないことが可能になった版ということです。
この取り組みで、廃液による環境への影響減少や、設備投資・薬品仕入・廃液処理などのコストと、
環境やコストへの負荷が大きく改善されたといえます。
現像処理ってなくてもいいの?必要な工程だったんじゃないの??
これまであった工程がそんなに簡単になくせるのは逆にちょっと不安ですよね。
もちろん、そこはちゃんと別の形で解決しました。
印刷機械を動かしながら現像処理を行う、「機上現像」と呼ばれる仕組みで実現しました。
印刷機には水とインキが流れており、インキと水を版に転移させる工程を利用して、
版から膜を剥がすことが可能になりました。「印刷機上」で「現像」ができたわけです。
これには現場も「そんなことできるの?!」と驚きでした。
これまでの現像工程の常識がひっくり返ったようなものでしたから。
いづみ印刷はこれからも環境問題へ取り組み続けます。
今回も専門的な内容で初耳なことが多かったのではないでしょうか。
以前の「ベジタブルインキ」、今回の「無処理版」、
実はどちらも「印刷でのある取り組み」への要素の一つなのです。
弊社が取り組んでいる「ある取り組み」、それは・・・
「クリオネマーク ゴールドプラス」です。
※「クリオネマーク」とは
環境にやさしい生産活動に取り組む印刷業界のシンボル、「環境保護印刷マーク」の愛称です。
E3PA(環境保護印刷推進協議会)が定めた認証ステータス登録基準に準じて製作された
「オフセット印刷物」と「オフセット輪転印刷」にこのマークを表示することにより、
製版・印刷企業はもとより、それらを生産するための資機材・技術・製品を提供する企業を含む、
印刷業界全体の環境への意識を高めることを目標としています。
このマークは流氷の天使と呼ばれ、オホーツク海のきれいな水に生息するクリオネをベースに図案化したものです。
※環境保護印刷推進協議会(https://www.e3pa.com/clione/)より抜粋
このクリオネマークにはシルバー・ゴールド・ゴールドプラスと三段階あり、
ベジタブルインキ、無処理版の使用もその条件の一つに含まれています。
弊社は最上位である「ゴールドプラス」を取得しています。
これまで取り組んできた環境問題で終わることなく、さらに環境に配慮した取り組みを、
いづみ印刷は続けていきます。