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印刷会社あるある5選 第二弾(制作編)
印刷会社で働くデザイナーの毎日は、ちょっと特別で共感たっぷりのエピソードにあふれています。微妙な色味の調整に悩み、膨大なフォントの海に溺れ、デザインが煮詰まった時にはコーヒーが相棒になる…。そんなデザイナーあるあるを、今回は5つ厳選してご紹介します!
その1. フォントや文字詰めが気になってしまう
デザイナーは、文字の配置やフォント選びがデザイン全体の印象を大きく左右することを知っています。カーニング(文字間の調整)がバラバラだと、一瞬で「違和感」として感じ取ってしまいます。そのため、街中の看板やポスターを見たときに「この文字、もう少し詰めたほうが美しいのに…」と気になってしまうことがあるんです。
特に「T」と「A」の間や、「V」と「A」の間が広すぎたり狭すぎたりすると、「気になる!直したい…!」という衝動に駆られることも。
こういうの、もうデザイナーとしての「癖」みたいなものです…。
その2. 色のパーセントがだいたいわかる
デザイナーは常に「この色をどう再現できるか?」と考えるため、目に入る色をCMYKの値で想像してしまいます。例えば、淡いピンクのTシャツを見たときに、「これはM: 30%、Y: 10%くらいかな…?」と頭の中で分解してしまうんです。日常の色をデザインの参考にすることが多いため、「このカフェの色合い、CMYKで設定するとどんな感じだろう?」と無意識に色分析をしてしまうことがあります。特に、印刷の仕事をしている人ほど、色の再現性に敏感になる傾向が。常時脳が「色変換モード」に入っている状態です。
※CMYKとは、印刷で使われるカラー表現の方式で、「Cyan(シアン)」「Magenta(マゼンタ)」「Yellow(イエロー)」「Key plate(キー・プレート=ブラック)」の4色の頭文字を取ったものです。
一方でRGB(光の三原色)はPCモニター、スマホ画面、テレビなどのデジタル表示に使われます。
その3. 街中のあらゆる印刷物のデザインが気になる
歩いているだけでも目に入るポスター、チラシ、看板、メニュー、パッケージデザイン…。
街中にはいろんなデザインがあふれています。
フォントの選び方、レイアウトの工夫、色の使い方、紙の質感、印刷技法…「このフォントの組み合わせいいな!」とか「色の使い方が上手いな!」と参考になることがたくさん。逆に「もっとこうすれば良くなるのにな」と思うこともあります。
ただ、時にはレイアウトのバランスや印刷の仕上がりに気を取られて、肝心の内容が頭に入ってこないことも。もはやこれは職業病…?
その4. 季節感がバグる
日々様々なデザインをする中で、季節感を見失うこともしばしば。
印刷業界ではキャンペーンの準備をかなり前倒しで行うこともあるため、デザイナーは常に「未来の季節」に意識を向けています。夏の終わりにはクリスマスなど冬のセール広告を作り始め、春の訪れを待たずに桜デザインのチラシを作ったりします。リアルな季節と頭の中の季節が乖離してしまうのです。
「いまの季節ってなんだけ…?」と、デザイナーの頭の中は常に時間旅行状態です。
その5. 推しのデザインより10分くらいで作ったデザインが採用されて複雑な気持ちに…
時間をかけて細部までこだわったデザインより、サクッと作ったものが採用されて、「なんで?」と思うことも。
これはデザイナーなら誰もが通る道で、デザインの「完成度」よりも、クライアントやターゲットの「直感的な好み」や「使いやすさ」「シンプルさ」が優先されることがあるんですよね。時間をかけて作ったデザインは、デザイナー視点では完璧でも、受け取る側が求めているものとズレていることもあるのです。
ちょっとモヤモヤしてしまいますが、「短時間で作ったデザイン」が採用されたということは、それだけ自分のデザインスキルが磨かれ、経験を積んでいくうちに無意識に「理想的なバランス」を感覚で捉えられるようになっているのかも?とポジティブに考えます。
失敗も成功もいろんなデザインを経験することで、確実にスキルアップに繋げていけるはず!!
いかがでしたか?
デザイナーならではの苦悩と楽しさが詰まった「あるある」。コーヒー片手に試行錯誤を重ねながら、今日もデザインの可能性を広げていくデザイナーの日常を5つピックアップしてお送りしました。
次回は「メディアコンテンツ編」あるある5選をご紹介します!